新幹線で急病人が出たのに名乗り出れなかった

ご相談

ナース歴10年です。今年の夏、大学時代の友人(看護師です)と、看護師勤務10年ということで記念旅行をしました。

国内旅行だったのですが、帰りの新幹線の中で車掌さんから「お医者様か看護師さんはいらっしゃいますか?!」というドラマのような声かけがあり、私たち4人は顔を見合わせたのです。

すぐに手を上げられなかったのは、たまたまその旅行中に、医療ミスで訴えられた病院の話や、責任の所在の話などしていたからだと思います。

日本ではまだあまりないことなのですが、諸外国では、「医師です」「ナースです」と名乗って、医療現場ではないところでボランティアのように手助けをしても、患者さんの容態が悪化したり、怪我による出血で亡くなったりしたとき「医師なのに(ナースなのに)すべきことをしなかった」などと言って訴えられてしまうこともよくあるということです。

新幹線で、あと二駅で降りるというタイミングだったこともあり、もう一度声をかけられたら手伝おうと思っていたのですが、ついに看護師だと名乗りでないままになってしまいました。

そのときの患者さんがどのような状態だったのか、また、その後どうなったのかは知る術もないのですが、助けを求められたときに無視をしてしまった自分に対して、せめる気持ちが消えません。しかも、4人もベテランナースがいたのに…。

桜子からのアドバイス

たいへんな経験をされましたね。

ときに、ドラマのようなことって起こるものです。私も一度だけですが、タクシー乗り場に並んでいた年配の女性が熱中症で倒れた現場に遭遇したことがあります。

私の場合は、誰に頼まれたわけでもなかったのですが、列の後ろの方がザワザワしていたので振り向くと、年配の女性が倒れていたため、近くの男性と協力して日陰に移動し、救急車の手配をして頭を冷やしたりした程度でした。

最近は、なにかあると人のせいにしてすぐに訴えるという風潮がありますから、確かに用心すべきこともあるのかもしれませんね。

必要なときには、きっと相談者さんだって身体が自然に動くと思うのです。ですから、そのときたまたま、患者さんが目の前にいなかったこともあるでしょう。

それに、「次に声をかけられたら…」と思っていたのに声をかけられなかったのは、他に医師や看護師が乗車していたからかもしれませんよ。

あまり自分を責めないで、もし、今後悔しているのなら、次にそのようなことがあったときに対応すると心に決めるだけで良いと思います。

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